日本代表の岡田武史監督(51)が、オレ流「管理サッカー」で、6月のW杯アジア3次予選4試合を勝ち抜く。3日、東京・文京区のJFAハウスでの代表スタッフ会議に出席した後、今後はピッチ上の動きについて、選手に細かいルールを徹底することを明かした。「キリンカップサッカー2008~ALL

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 2010!~」の会見も行われ、コートジボワール(5月24日、豊田スタジアム)とパラグアイ(27日、埼玉スタジアム)の出場が発表された。

 スタッフ会議を終えた岡田監督は「いい会議ができた。いいコーチに恵まれたよ」と切り出した。3月26日のW杯アジア3次予選バーレーン戦の惨敗後、「オレのやり方でやっていく」と「脱オシム」を宣言して約1週間。コーチ陣との会談をへて、初めて具体的に「オレ流」を明かした。

 テーマは「アプローチの仕方の変更」だった。守備陣のマークを両手を使って説明した。「これまでは、こういう時は誰が守備する、などは言ってこなかったが、これからはこういう形でと…。完ぺきには(選手に指示を)与えないが、ある程度は与える」。ピッチ上で自主性よりも明確なルールを徹底する管理サッカーへの移行だった。

 バーレーン戦を「力を出させてやれなかった」と悔やんだ。3バックとボランチのマークの受け渡しなどに課題が残った。選手個々の小さな判断の差が、敗戦につながった。オシムジャパンから踏襲した「自分で考えながら走る」サッカーが、うまくかみ合わなかった。次はもう失敗は許されない。横浜監督時代にJリーグ2連覇を達成した手堅いサッカーへの変更を決意した。

 6月のW杯予選の前哨戦ともいえるキリン杯に出場する日本代表は、ACLに出場する鹿島、G大阪勢を除いて5月19日に招集される。「(中東での)長期合宿ではメンタル面で選手にストレスがあった。どこに休みを入れるかなど、スタッフと話し合った」(岡田監督)。キリン杯の会見では「何があっても勝たなければならない」と2度繰り返した。その顔に惨敗ショックはもうなかった。【井上真】