<W杯アジア3次予選:オマーン1-1日本>◇7日◇2組◇ロイヤル・オマーン・ポリススタジアム

 FW大久保が後半29分、一発退場になった。左からの低いクロスに中央から突っ込んだ。タックル気味に右足から滑っていったが、1歩及ばなかった。勢い余ってGKと衝突し、相手の足が股間(こかん)を直撃。冷静さを失い、倒れたまま右足で相手の足を蹴った。ゴール前に次々と選手が集まる。大久保は倒れたまま、股間を押さえながら「正当防衛」を必死にアピールしたが、あっさりとレッドカードが出された。

 次のタイ戦(14日、アウェー)は出場停止が決定した。一発退場のため、最低でも2試合以上の停止が予想され、W杯3次予選の残り2試合は出場できない可能性が高い。カードが出された瞬間は、主審に向けて「ウソー」と叫んだが直後に、次戦に出場できない現実にやっと気づいたのか、しゃがんだまま30秒以上、起き上がれなかった。

 気合が空回りした。前半33分にはタイミングのいい飛び出しからヘディングシュートを放ったが、GKにはじかれた。ほかにもフリーでシュートを浮かす場面が目立った。退場後、岡田監督から「何したんや!」と聞かれ「蹴りました」と答えた大久保は、同監督から「ボケッ!」と怒られた。

 大久保は最後までチームに帯同せず、9日にも帰国する可能性がある。大久保に代わり、田代(鹿島)らFWの追加招集の可能性もある。いずれにしても日本は、岡田監督が信頼を寄せていた2列目から飛び込むFWを欠くことになった。