11月のW杯(ドバイ)出場を目指すビーチサッカーの日本代表に「ゾノ」が帰ってくる?

 サッカーの元日本代表MF前園真聖氏(35)が13日、都内で行われていたビーチサッカーの日本代表候補の合宿に参加し、ラモス瑠偉監督(52)から現役復帰を勧められた。招待という形で初参加した前園氏は、砂場で現役時代をほうふつさせるキレのある動きを披露。同監督が21日から始まる日本代表候補の中国遠征への招集を示唆すると「本気で呼ばれれば、やってみたい」と前向きな姿勢を示した。

 ピッチの中にいるだけで、前園氏に自然とボールが集まった。フェイントに現役選手が簡単に引っかかり、浮き球もパスは即チャンスボールとなった。強烈なシュートをたたき込むと、大きな拍手が起こった。「おととしにイベントでやった程度」というビーチサッカーだが、そのプレーは“本物”だった。昨年末からトライアスロンを始めており、約30分プレーしても息は上がらない。11日に同じく招待という形で参加し、短時間で「ダウン」した元日本代表FW武田修宏氏との違いを見せた。

 前園氏を招待したラモス監督は「ボールを取られないし、うまい。現役より賢いし、慣れたら使える」と絶賛し「大事な時間に1分半とか入れてキープしてもらう」と、具体的な起用法まで披露。21日から25日に予定する中国遠征にも「明日から3日練習したら連れて行く」と明言した。

 中国遠征は元Cリーグの選手をそろえた中国代表と練習試合を行うなど、W杯アジア予選(開催時期未定)を見据えた強化の場。今回合宿に招集した代表候補20人から12人に絞る予定だが、ラモス監督は「12人+ゾノかな?

 ゾノ次第」。昼食中も、前園氏を口説き、報道陣から「口説き落とせたか?」と聞かれ「ギリギリ」と期待した。

 ラモス監督の熱意に前園氏は「引退しても練習着を着ると、そういう気持ちになる。チャンスがあれば仕事をキャンセルする。3日練習しないとダメですけど」と目の色を変えた。ラモス監督が率いて日本が4位になった05年W杯では、元フランス代表MFカントナ氏が監督兼選手で優勝するなど、名選手が「ビーチ」で復帰する例はある。98年W杯フランス大会でメンバー落ちした前園氏の夢、W杯は砂浜でよみがえるかもしれない。【村上幸将】