仙台MF関口訓充(25)が来月から始まるW杯アジア3次予選の日本代表予備登録メンバーに入ったことが22日、協会関係者への取材で分かった。20日の名古屋戦で先発出場し、チーム10戦ぶりの勝利に貢献。磐田戦の翌日25日の日本代表メンバー発表で招集されれば、来月2日の北朝鮮戦で仙台のチームメート同代表MF梁勇基(29)と対戦することになる。

 関口が初めてW杯挑戦権への第1段階を上った。予備登録メンバー入りに「実際に呼ばれなければ意味がない」とクールに振る舞ったが、内心はホッとしていた。6月のキリン杯では招集されたものの今月10日の日韓戦では声はかからず。子どもの頃からの夢、W杯。現在25歳の関口にとって次回大会では30歳になる。今を逃せない気持ちは強い。

 仙台サポーターにとって願ってもない日がやってくるかもしれない。日本代表の関口と北朝鮮代表の梁という肩書で、仙台生え抜きの同期が同じピッチに立つ可能性がある。関口は「そうなればいいと思う」とライバルとの対戦を願った。

 初めてW杯を知ったのは8歳の頃。93年ドーハの悲劇だった。「カズさんをよく見てた。W杯に出るのはどれだけ大変か分かった。でも今や日本代表にとってW杯出場は当たり前。出なきゃいけない。それに貢献したい」と力強い。

 6月に招集された時と明らかに違う。気負った様子はない。明日24日の磐田戦で強烈なアピールをしたいところだが「自分ができることをやれるように準備するだけ。急に違うプレーをすることはできない」と冷静。余裕が見られた。

 ミニキャンプが行われている愛知・刈谷市総合運動公園では22日、軽快な動きを見せた。「スタートラインには立った」と関口。サッカー選手の夢舞台に関口、梁が立つ-。その光景が現実となるかもしれない。【三須一紀】