日本サッカー協会は25日、9月のW杯アジア3次予選2試合に出場する日本代表23人を発表した。

 選出されたFW原口元気(20=浦和)と同じU-22世代のFW清武弘嗣(21=C大阪)も選出された。前日24日の横浜戦で左膝を痛めて心配されていたが、25日、大阪市内の病院で検査を受けた清武は「何も問題なかった」と軽傷を強調した。10日の韓国戦に2アシストで衝撃の代表デビューを飾った新星が、W杯予選でも活躍を誓った。

 軽傷だった。検査を終えてクラブハウスに戻った清武は、足を引きずることなく普通に歩いていた。「膝は大丈夫。試合の一瞬に痛みが出ただけ。今はもうない。検査結果も何も問題なかった」。患部には再発予防のテーピング。安心したかと聞かれて「そうですね」と少し表情を和らげた。来月2日の北朝鮮戦(埼玉)前の、最後の実戦となるJリーグ浦和戦(28日、長居)も出場する予定だという。

 前夜の横浜戦の後半30分、競り合い直後に左膝を抱えて倒れ込んだ。担架で運ばれて途中交代。代表選出への影響が懸念されていた。この日、C大阪に確認した日本協会の原技術委員長は「今のところ痛みはなく大丈夫と聞いている」と説明した。

 前途有望な21歳のサイドアタッカーは、2度目の代表戦招集を素直に喜んだ。「選ばれたのはうれしいし、精いっぱい自分の力を出したい」。浦和FW原口の初選出には「刺激になる」と言った。「元気(原口)はJリーグで8点も取ってるし驚きはないけど」。同じ五輪代表世代として、A代表の底上げ役も担う。

 「いい流れを五輪予選に持っていければいい。今はまず北朝鮮戦に集中したい」。五輪代表にも選出されれば、C大阪でのアジア・チャンピオンズリーグも含め、来月21日のロンドン五輪最終予選マレーシア戦(鳥栖)まで20日間で5試合という過密日程となる。C大阪の梶野強化部長は「(A代表と五輪と)両方呼ばれたら両方出さないといけない」と苦笑いした。

 韓国戦でブレークし、今や欧州の強豪からも熱い視線を浴びる存在になった。「自分がやれることを、しっかりやっていきたい」とあらためて誓い、迎えに来た夫人の運転する車に乗り込んだ。【大池和幸】