浦和のFW原口元気(20)が13日、昨年9月以来5カ月ぶりのU-23(23歳以下)日本代表復帰を果たした。日本協会は、ロンドン五輪アジア最終予選C組第5戦、マレーシア戦(22日・アウェー)のメンバー20人を発表。前線の主力選手にケガが相次ぎ、左ふくらはぎを痛めたMF清武弘嗣(22=C大阪)、左腕を骨折したFW山崎亮平(22=磐田)、右中臀(でん)筋を肉離れしたMF山田直輝(21=浦和)は選出されなかった。原口は持ち味の鋭いドリブルに加え、パスでのリズム作りやトップ下でのプレーで、日本に“GENKI”を届ける。

 この日はチームがキャンプ中の指宿で、全南ドラゴンズ(韓国)と練習試合(40分×4本)を行った。3、4本目に出場し、1点を追う3本目の39分、左サイドをドリブルで駆け上がった。相手DFのスライディングがファウルとなり、そのFKが起点となり、同点弾を生んだ。

 最大の武器ドリブルに加え、今季は攻撃のリズムを作るパスも身につけつつある。ペトロビッチ新監督のパスサッカーに順応し、左サイドの攻撃的MFとしてプレー。トップ下の動きも勉強中だ。「ドリブルは打開策がないときの武器になる。最近は真ん中でのプレーも慣れてきて、いい感触もある。(代表で)真ん中も面白い」。

 昨年は五輪代表だけでなく、A代表にも初招集された。一方、12月10日練習後、もみ合いからDF岡本の左肩を脱臼させ、謹慎処分を受けた。練習に参加せず、天皇杯出場も見合わせた。教育プログラムをスタートさせ、さいたま市内の練習場近くにある障害者施設を訪れたり、教員免許を持つ強化部スタッフと面談を行うなど、意識改革に取り組んだ。

 今季は心機一転、変わった姿を見せる。ユニホームの背番号「24」の下に入れる名前も、昨季の名字から“GENKI”に変更した。他にも、FW田中やMF山田直が名前をプリントしている。昨年の東日本大震災後、チャリティーマッチにJリーグ選抜として出場。「日本に元気を与える」という言葉は、名前が元気だからこそ言えるせりふ。

 感謝の気持ちを持って、取り組む。謹慎明けの1月、U-23日本代表候補のグアム合宿には招集されず、5日のアウェー・シリア戦もチームメートの山田直、DF浜田の姿をテレビで見た。「代表に戻れてうれしい。選んでくれた協会と関塚監督に感謝している。その気持ちを結果で出せるようにしたい」。成長した姿を、試合で見せる。【保坂恭子】