日本代表アルベルト・ザッケローニ監督(58)が、背水の陣で14年W杯ブラジル大会アジア最終予選に挑む。24日、東京・文京区のJFAハウスで、6月の最終予選3試合のメンバー25人を発表。ブラジルへの最終決戦前に、古代ギリシャの哲学者ソクラテスを引き合いに出して、情報漏えい阻止の徹底を強調した。浪人が許されない受験生の覚悟で、ブラジルへの合格通知書を取りにいく。

 悲壮な覚悟がにじみ出ていた。結果次第では、解任騒動に発展することもある最終予選。ザッケローニ監督が、すべての情報を包み隠し、切符を取りにいく。「ソクラテスのように多くを話した後、殺されてしまったという状況にはなりたくない」。情報戦はすでに始まっている。日本のファンに情報を発信すると、自然と相手国にもその情報が流れる。少しでも情報戦で優位に立つため、カーテンを引く。

 今日25日から始まる合宿はすべて報道陣を閉め出して行われる。公開するのは、冒頭15分間のアップだけになった。「僕がゴール決定力アップのためのヒントを答えれば、その情報は相手にも入る。相手に情報を与えたくない。情報戦で相手を有利にさせることは1つもさせたくない」と理由を説明した。

 日本は過去、最終予選の途中経過で監督が更迭されたことや、解任騒動に巻き込まれたことが、何度もある。6月3連戦の結果次第では、ザッケローニ監督も安泰とは言えない。「気持ちとしては勉強をたくさんして試験に臨む学生の心境です」。当然、浪人は許されない。結果次第では、ソクラテスのような悲劇も考えられる。

 「僕は結果を約束するタイプではない。全力を出すことを約束します」。本番を残すのみ。アゼルバイジャンを最後に、模擬テストは終わった。日本代表司令官の座をかけた、ザッケローニ監督の挑戦がいよいよ始まる。【盧載鎭】