東京ヴェルディは10位で特別大会「百年構想リーグ」を終えた。
FKから2度、G大阪に追い付いたが、終盤に失点を重ねて敗れた。
地域リーグラウンドとプレーオフラウンドで合計20試合を戦い、10勝(3PK勝ち)1分け9敗(1PK負け)という結果で終えた。
城福浩監督は今大会を振り返り、こう話した。
「やはりこのチームは危機感を持って次のシーズンに臨まないといけない。それは先発、サブの選手を含めて、全員がどういう立ち位置にいて、どういう心持ちで臨まなければいけないのか。もちろん80%の気持ちで対等に戦えるのであれば、もっと余裕を持たせたいし、もっと遊び心を持たせたいと思いますけど、何かが緩んだ時の現実っていうのはね、やはりそうか、と思わせてくれたリーグだったと思うし、そういう意味では危機感をエネルギーに変えて、次に進むための終盤だったなと思います」
最後のホーム戦2試合は、横浜に0-6で大敗し、そしてこの日のG大阪にも4失点した。
「いい守備からいい攻撃」をうたう堅守のチームが最後に失点を重ねた。17試合目までで19失点だったのが、最後の3試合で11失点を重ね、最終的に20試合で30失点となった。城福監督「やはりそうか」と来季に向けて危機感を強めた。
妥協なく走り、小さなほころびに敏感になってアラートを鳴らし、準備を怠らないのがヴェルディというチームが大事とする部分。そこが損なわれたのはなぜか? 試合を重ねた終盤ゆえに、金属疲労のようなものなのか。
城福監督はその理由についてこう回答した。
「僕の力のなさで習慣化させられていないということだと思います。先発で出た選手も、途中から出た選手も、球際のところだったり、来ないかもしれないけれども戻るところだったり、それができなければ相手のクオリティーが高いということだと思うし、疲れている分けではないと思います。試合の入りが非常に悪かったというのは、心にスキができるというのも週間だと思うんです。このチームは練習メニューが軽いとは言いませんけど、いかに集中しているか、いかに目的を持っているか、いかに積み上げようとしているか、っていう意味では、我々、特に私の力が足りなかった。習慣化させられていない」
そう言って自責の念を強めた。
この日のG大阪は主力選手抜きのメンバー。ユース所属の選手がベンチに3人も入り、20人枠のところを17人で戦っていた。その相手に屈したのも悔しさを増幅させたに違いない。
「ちょっと相手主力がいない、なんとなく(横浜戦の)6失点から(G大阪との第1戦は1-1に)挽回(ばんかい)した空気感で試合に入ってしまう。イコール習慣化できていない。習慣化させるっていうのは、もちろん力をつけたいです。プロになってからもうまくなったというふうにしたいですけど、そんなに簡単じゃないので。緑のユニホームを着たから成長するなんていうことじゃないので、いかにいい習慣を身につけて、いい準備をして。それが1週間の準備なのか、プレーが起こる現象の1秒前の準備なのか。そこをやはりこのチームは突き詰めていかないと、非常に苦しい26-27シーズンになると感じています」
シーズンを終えたばかりだが、来季への課題が頭には浮かんでいた。
ヴェルディの課題。それは染野唯月の数字でも見て取れる。シーズン序盤は6試合で3ゴールと結果を出した。一方で後半になると4月12日の浦和戦を最後に、出場9試合連続でノーゴールとなった。この日も前半の早い時間帯で決定機を迎えたが、シュートはゴール枠を捕らえられなかった。
得点以外の場面で縦パスを収め、攻撃の起点となり、守備にも積極的に走る。堅守のチームを守りの面でも支えているのが染野だ。技術、戦術眼に優れた選手であり、ヴェルディのまさに大黒柱。ただ、後半苦しんだところは、染野個人の問題でなく、チームの課題として受け止めている。
「攻撃においては、彼への負荷がちょっと高すぎると思います。それがこのチームが抱えた大きな課題で、ストライカータイプの選手が前線に彼しかいないところをどうにかしたかったし、それ(別のストライカー)を配置した時にバランスが崩れないチームにしなきゃいけない。もっと言えば、守備力が弱まらないチームにしなきゃいけない中で、そこにバランスを取ると、今度は攻撃って言う意味での彼への負荷が極端に高い。ここはこのクラブが抱えている大きな問題で、さっきも言いましたけど、緑のユニホームを着たからそういう選手が成長するわけじゃないんですよ。そんな簡単じゃないので、小学生だったらまだ技術が伸びていき、いろんなものが吸収できると思いますけど、プロになって1ミリでも2ミリでも前に進むっていうことに関しては、僕らも努力しなきゃいけないし、選手も努力しなければいけないし、クラブも努力しなきゃいけない。彼も成長していかなきゃいけないけども、彼の負荷を分散していけるようなチームにどういうふうにしていうけるのかというのが勝負になるかなと思います」
三歩進んで二歩下がる-。かつて水前寺清子が声高らかに歌った「三百六十五歩のマーチ」のフレーズが思い浮かぶ。汗かき、べそかき、歩いた先には「きれいな花が咲く」と結ばれている。
きれいな花を咲かせるための365日の努力の積み重ね。危機感を肥やしに、城福監督はまた新たなシーズンへと向かって行く。【佐藤隆志】



