<トゥーロン国際:日本3-2オランダ>◇1次リーグA組◇25日◇フランス・エステレルスタジアム◇40分ハーフ

 関塚ジャパンがオランダを下し、決勝トーナメント進出に望みをつないだ。FW指宿洋史(21)斎藤学(22)宇佐美貴史(20)高木善朗(19)の4人の攻撃陣が機能。体格で勝るオランダ相手に日本のパスサッカーを貫いた。明日27日のエジプト戦で勝てば無条件で、引き分けの場合はオランダ対トルコの結果次第で準決勝進出が決まる。

 2日前とはまったく別の動きだった。関塚ジャパンが長身ぞろいでフィジカルの強いオランダ相手に勝利。MF宇佐美、高木の海外組とFW斎藤の3人が中盤で流れるようにパスをつないで相手をかく乱。五輪へ生き残りをかける男たちが存在をアピールし、欧州相手にも攻撃が通用することを証明してみせた。

 23日にトルコに敗れ、連敗なら1次リーグ敗退が濃厚となる。前半2分に早々と先制点を許したが、まずは斎藤が個人技で同点に追いついた。右サイドでパスを受けると、小刻みなドリブルで相手DFを3人抜き去り、右足でゴール。スタンドで見守る欧州のスカウト陣をうならせた。「自分の間合いで仕掛けられた。僕だけ日本でやっている選手だけど、関係なくできた。初めてやるような4人だったが、連係はしっかりできた」と胸を張った。

 後半3分にはカウンターから高木、宇佐美とつなぎ、最後はフリーのFW指宿が2点目のゴール。精度の高いパスさばきで何度も攻撃の起点を作った宇佐美は「(持ち味は)すべては出ていないが、ドリブル突破もできた。結果がすべて。相手がラインを高くしてきたところで奪ってショートカウンターにつなげた」と、満足げに振り返った。

 相手のパスカットからMF扇原の決勝点の起点となった高木も「オランダはマンツーマンでくるので動くと嫌がると思った。8割がたうまくいけた」と笑顔。守備では序盤から球際で激しい当たりをみせ「海外組がそこをみせていかないといけないと思った。僕らがもっと頑張ればオーバーエージも必要かどうか考えるだろうし、若い世代が日本を引っ張っていかないといけない」と前を向いた。

 オランダは五輪欧州予選を兼ねた昨年のU-21欧州選手権でプレーオフで敗退しており、今大会のメンバーは21歳以下の国内組が中心になっている。決して五輪出場国レベルではないが、完敗した初戦のトルコ戦での反省を生かし、欧州相手に日本のサッカーを展開できたことが最大の収穫。関塚監督も「今日は自分たちの持っている力を出し切れた。それが結果に結びついた。宇佐美、斎藤、高木が機動力を生かしてくれた」と、高い評価を与えていた。【福岡吉央】