【バンコク(タイ)12日=由本裕貴】キングが、日本にW杯を呼ぶ。日本協会が2020年にフットサルW杯の日本開催を目指し、三浦知良(カズ=45、横浜FC)を招致委員の特別大使に任命する計画があることが分かった。今回のW杯で、競技への注目度アップに大きく貢献した働きを評価。カズもフットサル界の人脈を生かし、全力で協力したい意向だ。同年は東京五輪が開催される可能性もあり、カズが五輪に負けじとフットサルをアピールする。

 45歳にしてW杯に立ったカズが、今度は日本にW杯を招く。日本協会は8年後の20年にフットサルW杯初の日本開催を計画中。招致の顔としてカズを起用する方針だ。協会関係者は、今回のW杯で初の決勝トーナメント進出の力になったカズを「年齢を感じさせないプレーで、フットサル界に貢献してくれた。その存在は大きな力になる」と高く評価している。

 4年後の16年大会の開催地は決まっていないが、日本は準備期間を考え、8年後に照準を合わせている。カズは、8年後は53歳だが「生きていたらね。要請されたら、あり得るよね」と前向きだ。今回、日本代表に招集されたことで、多くのフットサル選手や関係者と知り合い、W杯期間中は主将FP木暮(名古屋)らとFリーグ発展の可能性を語り合っていたという。「こうやってフットサルの仲間もできたし、何か協力できることがあれば、どんどん言ってほしい。フットボールファミリーとして、協力していきたい」とやる気十分だ。

 20年の開催地決定は、4年後の16年前後となる見通し。日本協会は、その試金石として、来年のアジアクラブ選手権の開催地として名古屋市が立候補する方針も固めている。

 19年か23年には、女子W杯の日本招致も検討されている。さらに、20年は東京都が夏季五輪の開催地に立候補している。すべて実現すれば、スポーツの世界大会がめじろ押し。その中で、カズがフットサルの顔として広告塔となる。

 ◆世界大会招致のシンボル

 今夏のロンドン五輪では、イングランド代表主将を務めたベッカムが前面に立ちPR。18年平昌冬季五輪決定には、女子フィギュアスケートでバンクーバー五輪金メダルの金妍児がアンバサダーを務めた。22年サッカーW杯招致では、カタールが元フランス代表ジダン氏をアンバサダーにして開催をゲット。日本は19年か23年の女子W杯開催に向け、なでしこジャパンの澤穂希を招致委員長に任命する方針だ。