<国際親善試合:日本0-2ブルガリア>◇30日◇豊田スタジアム

 日本代表FW香川真司(24=マンチェスターU)が不発に終わった。ホームでブルガリアに完封負け。MF本田が不在の中、前半は約1年半ぶりに試した3トップの左FWを務め、連係面では収穫をつかんだが、結果は出ず。4バックで臨んだ後半も無得点。中4日で迎える6月4日のW杯アジア最終予選オーストラリア戦(埼玉ス)で5大会連続のW杯出場を決めるため、次戦での奮起とリベンジを誓った。

 両手を腰に置き、ぶぜんとした表情で雨にぬれたピッチを見つめた。12年2月29日のW杯アジア3次予選ウズベキスタン戦(豊田ス)以来、8試合ぶりとなるホームでの完封負け。相手選手が次々と香川に声を掛け、握手を求めても、ずっと上の空だった。それほど悔しさがにじみ出ていた。

 「結果としてホームで負けたことが悔しい。チャンスで決め切らないと。連敗してしまい、申し訳ない」

 前半は3トップの左FWとしてカウンターから何度も好機をつくった。4-2-3-1に戻った後半開始からトップ下に入ると、かつてC大阪でともにプレーしたFW乾、清武との2列目トリオでダイレクトパスを連発し、相手を置き去りにするプレーで会場を沸かせた。MF中村が投入された同24分からは本来の左MFの位置からゴール前に迫った。

 序盤からリードを奪い、引いた相手に対し、この日放ったシュートはチーム最多の3本。香川とともに攻撃の中心を担うMF本田が不在の中、期待を一身に背負ったが、最後までゴールネットを揺らすことはできなかった。

 それでも香川は必死に前を向いた。1年半ぶりに試した3バックでは確かな収穫も感じ取った。「4日間ずっと3バックを練習してきた。守備の寄せでいいところを出せたし、攻撃も左右に開き、いいリズム、距離感でプレーできた。前よりよかったし、ポジティブに考えていきたい」。

 次は中4日で迎えるオーストラリア戦。本田のチーム合流は試合前日の6月3日。その2日前に所属クラブで試合があることを考えると、ベストな状態で帰国できる可能性は低い。それだけに、次戦でも香川の奮起は必要不可欠。日本の10番を背負う24歳は「ホームでの負けは絶対に許されないし、取り返しのつかないことになる。危機感を持って反省し、修正していきたい」と、真剣なまなざしで口元を引き締めた。【福岡吉央】