<国際親善試合:日本1-1ニュージーランド>◇20日◇ベアスタ

 MF澤穂希(34=INAC神戸)やMF宮間あや(28=岡山湯郷)ら、世界一メンバーを呼び戻したなでしこジャパン(FIFAランク3位)が、ニュージーランド(同20位)と引き分けた。FW大儀見優季(25=ポツダム)のゴールで先制したが、前半終了間際に宮間が2枚目のイエローカードで退場。10人で戦った後半に同点ゴールを許し、勝ち切れなかった。

 ロンドン五輪決勝の米国戦以来、315日ぶりになでしこの主将としてピッチに立った宮間をアクシデントが待ち受けていた。1点リードの前半終了間際。「何を言っても結果がすべてですけど映像を見てみたいとは思います」という微妙なスライディングが、2枚目のイエローカード。頼れる主将はピッチを去った。

 約1年ぶりの代表戦をわずか45分で終えることになった宮間は試合後、ただただ平謝り。周囲との連係の難しさや、18日に行った男子学生との練習試合で疲労が残っていた。心身両面で五輪時のようなコンディションではなかったが「そういうものすべてを背負って結果を出すのが日本代表。みんなに苦しい思いをさせてしまった。自分の力不足です」と頭を下げた。

 とはいえ、退場者を出さなくても難しい試合だった。W杯優勝、五輪銀メダルで世界中が日本を模倣。この日もニュージーランドはDFラインからパスをつなぎ、多彩な攻めでなでしこは苦しめられた。大黒柱の澤も「ニュージーランドはW杯の時と全然違ったし、(日本を)研究していた」と振り返った。

 若手中心に臨んだ3月のアルガルベ杯は5位。育成より勝利を優先し、五輪組を呼び戻した一戦でまさかのドロー。W杯連覇への道のりが平たんではないと感じさせた夜だった。【千葉修宏】