アギーレジャパンは招集のメリハリを強化につなげていく。日本代表のハビエル・アギーレ監督(55)が今後の代表メンバー招集に「勝負型」「育成型」のメリハリをつける意向を示していることが26日、明らかになった。勝負がかかる公式戦はその時点でのベストメンバー、親善試合のみの招集の場合は18年W杯ロシア大会を見据えて若手や新戦力も招集することになる。W杯1年前まではメンバーを固定して戦ったザックジャパンとは異なるシフトを敷く。

 アギーレ新監督は、招集のメリハリで日本代表を強化する。日本協会幹部によると、指揮官は今後、状況に応じて招集の意図を変更する意向で、「勝負がかかった公式戦は年齢を問わずベストメンバー。親善試合のみの場合はW杯ロシア大会を見据えた招集も視野に入れている」という。

 メンバーを固定してチームの熟成を図ってきたザックジャパンとは180度方針を転換した形だ。ザッケローニ監督は就任から11年1月のアジア杯、その後のW杯アジア予選、13年6月のコンフェデ杯終了まではメンバーを固定。13年7月の東アジア杯以降に新戦力を入れていったが、それまでは国内組で戦わざるを得ない試合を除き、「常連組」で占められていた。それがチーム内にマンネリを生むことにもなった。

 アギーレ監督は11日の就任会見で選手選考の哲学について聞かれ「とにかく将来性のある選手、代表に意欲的な選手、国を背負う気持ちがある選手を選びたい」と明言。4年後を見据えた積極的な若手の招集について前向きな姿勢を示した。チーム内に競争意識を持たせることで、常に活性化を図る意図もあるはずだ。

 初陣となる親善試合ウルグアイ戦(9月5日・札幌ド)、ベネズエラ戦(同9日・横浜国際)については、既にメンバー選考が進んでいる。選考までの時間が限られることから、W杯ブラジル大会のメンバーが中心になる可能性が高い。だが、2連覇がかかる来年1月のアジア杯オーストラリア大会にベストメンバーで臨むため、10月と11月の親善試合は多くの選手をテストすることになる。

 一方でアジア杯後の3月の親善試合2試合などでは、再び若手や招集歴の少ない選手をテスト。「アギーレ流」への適応や個々の能力をチェックすることになりそうだ。W杯予選などが絡む月はベストメンバー、その数カ月後にある親善試合2試合にはガラリと代わったメンバーで臨むということも想定される。

 アギーレ監督は既に精力的に国内組を視察し、視察できない試合もビデオでの確認を続けている。メリハリをつけた選手選考により、今後思わぬ選手がリストアップされるかもしれない。