G大阪が、本拠地で痛恨ドローを喫した。前半39分にMF阿部浩之(25)が先制弾を挙げるも、後半17分に失点。首位ブリラム(タイ)に引き分けた。エースFW宇佐美貴史(22)は今大会3戦不発。数字上は可能性を残すが、早ければ次節に敗退が決まる。優勝した富士ゼロックス・スーパー杯を除き、今季公式戦2分け3敗と昨季3冠王者が苦戦している。

 激しい雨が降り注ぐ中、万博が大ブーイングに包まれた。敗戦に等しいドロー。前半39分に阿部の今大会初ゴールで先制するも、後半に入るとシュートは2本と大失速。足が止まり、同点のFK弾を浴びた。

 宇佐美は悔しさと自分に対する怒りを前面に出し、いち早く取材ゾーンに現れた。試合の余韻を引きずった不機嫌なまま、計7個の質問に「はい」としか答えない。ACL3戦未勝利の原因には、ようやく「決定力不足」と言い放った。

 東南アジア勢には過去7勝1分けと得意にしながら、勝利が求められた試合で勝てなかった現実は重い。先月28日のゼロックス杯を除けばリーグ、ACLと公式戦5試合で1勝も出来ていない。宇佐美もリーグ開幕戦でPKを決めただけ。長谷川監督は、2トップの得点力不足を勝ちきれない原因の1つに挙げた。

 「非常に苦しい状況になったのは間違いない。3試合2トップに得点がなく、なかなかチームがのっていけない。FWの奮起に期待したい。3試合とも内容では負けてないのに…」。勝ち点1をつかんで、首の皮一枚つなげたが、早ければ次節に敗退が決まる。残り3試合中2試合は敵地。タイ、中国への長距離移動が厳しさに輪を掛ける。

 ACLで2連敗した後、Jリーグの村井チェアマンは「Jは日本代表の基盤。このままではアジアの地盤が沈下する。ほんと情けない」と嘆いた。痛烈ゲキを受けても結果には結びつかず、MF遠藤は「我慢する時期。3連勝すればチャンスはある」。昨季3冠の力を信じていたが、7年ぶり優勝の野望は、強い雨にかき消されてしまったのか。【小杉舞】