日本協会は29日、東京・JFAハウスで評議員会を開き、2014年の決算を承認した。収益が約188億7500万円、費用は約167億7100万円で、当初予算で約4億円と見込まれていた黒字が、約17億円増の21億397万5110円に跳ね上がった。日本代表のW杯ブラジル大会での不振なども原因だという。

 同協会の福井事務局長は「(黒字が)約21億円となりましたが、決して喜べるものではない。苦しい1年でした」と話した。当然、黒字の大幅増には、W杯によるユニホーム売り上げアップや、昨年開催された日本代表の親善試合4試合による増益などの前向きな理由もある。一方で、日本代表のW杯早期敗退、世代別代表のアジア予選敗退、JクラブのACL早期敗退などによって、成績に応じて支払われるはずのボーナスの支払いがなくなったという「日本サッカーの不振」にも起因するからだ。

 2014年の予算は、日本代表がW杯で8強に進出した際に国際サッカー連盟(FIFA)から受け取るボーナス約14億円も見越して立てられた。ただ、1次リーグ敗退により、FIFAからのボーナスは約6億円に減額。それでも大幅に増えた黒字は、今後の日本サッカーの発展のために使われるが、何とも皮肉な結果となった。