短期集中ゴールで勢いをつける。J2札幌FW内村圭宏(30)が5日、今日6日アウェー愛媛戦での3試合連続得点を約束した。決めれば、1点目の4月29日岡山戦から8日間での3試合連続ゴールとなり、97、98年にFWバルデスが達成したクラブ記録に並ぶ。過去、日本人選手では誰も果たしていない“固め打ち記録”で、チームを今季2度目の2連勝に導く。

 勢いあるFW最年長が、休まずゴールを取りにいく。磐田戦は都倉の先制点をお膳立てし、2-0の後半30分には、ダメ押しの3点目をたたき込んだ。中2日で迎える次戦に向け内村は「連戦だし、これまでの積み重ねを、しっかり出せるようにしたい」と、まずは組織での勝利を目標に掲げた。

 伝説の記録に並ぶ。今季は開幕9試合無得点と、序盤は苦しんだが4月29日岡山戦で初得点。中3日で臨んだ3日磐田戦で2戦連発と、一気にエンジンが温まってきた。まずは5日で2点。さらに「ここで途切れないようにしたい。続けて取れるように」と連続ゴールを見据えた。8日での3試合連発となれば、クラブでは98年バルデス以来17年ぶり。日本人選手では例がない快記録。過密日程で畳み掛け、一気にチームのムードを上向かせる。

 試合を重ね、着実に調子が上がってきた。開幕3戦目までシュートゼロ。中盤でのつなぎ役や守備をこなす時間が多く、シュートゾーンでボールを受けるシーンが少なかった。だが、金沢戦で4本のシュートを放ち初得点すると、磐田戦は今季最多5本のシュート放ち、2ゴールに絡んだ。守備陣も安定し、次第に相手ゴールに近い位置で受ける時間が増えた。自身も「シュートまでいけるようになってきた」と手応えを感じており、熟成した組織力を生かし、好機を増やす。

 愛媛ニンジニアスタジアムは、09年まで3シーズンプレーした、かつてのホーム。在籍3年で11得点を挙げた得意のピッチも、なぜか10年に札幌移籍後は、4試合290分に出場し無得点。1勝3敗の鬼門にも「相手どうこうではなく、自分たちのやることをやっていけば結果はついてくる」と気にしていない。チームは6戦負けなしと好調。勝てば3位浮上の可能性もある。13年に2度の4戦連発を記録した“連チャン男”が本領発揮し、短期間での勝ち点増産につなげる。【永野高輔】

 ◆短期間で3試合連続得点した札幌の選手 FWバルデスが97、98年に8日間で達成したのが最短。97年10月22日大分戦から同29日ジャトコ戦、98年7月25日横浜F戦から8月1日広島戦、同10月31日V川崎戦から11月7日市原戦と、3度記録。日本人選手では12日間が最短で、98年MF棚田が11月3日神戸戦から同14日横浜F戦まで、13年内村が8月21日愛媛戦から9月1日岡山戦で記録。