広島が先行逃げ切りの「勝利の方程式」で5連勝を飾り、首位戦線に浮上した。待望の先制点が開始直後にやってきた。前半3分、MFドウグラスが柴崎のパスに反応し、川崎FのDF谷口のクリアミスにつけ込みゴール。そこから自慢の守備ブロックを敷いて、手堅く守った。リーグ屈指の攻撃力のある川崎Fに14本のシュートを浴びたが、得点を許さなかった。

 87分間はほぼ防戦一方という展開にも、MF森崎和は「見てる方も楽しくはないかもしれない。でも、守ろうと思って守れるチームは少ない。そこは評価してほしい」と胸を張った。今季先制した試合は5戦5勝。疲労がある連戦の中でも集中力は切れず「うちの守備のクオリティーを見せられた」とキッパリと話した。

 森保一監督(46)は試合前、「相手のインテリジェンスを上回る知性を持った守備を実行しよう」と指示した。川崎Fのパス回しも、森崎和や千葉、水本らが先を読んで遮断し、シュートコースも限定。「守備はアイデアを持って予測できていた。しぶとく勝ち点3を取ってくれた」と目を細めた。

 直近5試合の失点はわずか2。2連覇を達成した13年以来の5連勝で優勝戦線に浮上し、次節は10日のG大阪戦。DF塩谷は「無敗の浦和に食い付いていくためにも勝ち続けるしかない。(過密日程の中での)連戦を全勝して締めくくりたい」と見据えた。【岩田千代巳】