日本サッカー協会理事で元日本代表の北沢豪氏(46)が29日、都内で行われた「ブラインドサッカーアジア選手権2015」記者会見に出席し、大会の展望を語った。

 この日、同選手権が9月2日~7日まで東京・国立代々木競技場フットサルコートで開催されることが発表された。日本(世界ランキング9位)、中国(同5位)、イラン(同12位)、韓国(同14位)、インド(同28位)、マレーシア(同30位)の計6カ国の総当たり戦で、上位2カ国がリオデジャネイロ・パラリンピックの出場権を獲得する。日本は、初日から08年の北京パラリンピックで準優勝した中国と対戦する。

 北沢氏は「グループリーグの総当たりの場合、初戦を勝って、徐々に勝ち慣れていくのがベターで、かなり厳しい試合になると思う。プレッシャーもあり、けがや体力面も心配」と語った。

 日本代表は11年、ロンドン・パラリンピック大会の出場権を懸けた前アジア選手権でつらい思いをした。イランに「引き分け」でも出場という場面。後半残り15分で2失点して、パラリンピック初出場を逃した。代表歴10年以上の黒田智成(36=たまハッサーズ)は「あの時の悔しい思いは忘れていません。パラリンピアンは特別な価値で、『今度こそ』という強い思いで4年間、続けてきました。前大会のチーム以上にチームの経験値やレベルは上がっています。最低でも2位までには入ります」と意気込んだ。

 日本代表は当時、国際試合は年間4試合程度で、「経験不足」が課題とされていたが、今では年間25試合以上行うまでになった。魚住稿監督(38)も「日本が得意とする、ディフェンスからのカウンター攻撃の精度を上げて総力戦で戦えば、結果は必ずついてくる。最後はみなさんと一緒に喜びましょう」と自信をのぞかせた。

 会見後は、北沢氏がブラインドサッカーに挑戦し、黒田とパスを交わした。鈴の入ったボール音でボール位置を推測するため、見失う場面もあった。日本ブラインドサッカー協会の釜本美佐子理事長らも出席した。