J2磐田はホームで熊本と対戦し引き分けに終わった。前半33分、MF松浦拓弥(26)の得点で先制。しかしその後は決定機を決められないまま、後半38分に失点を許して同点とされた。2日の練習で頭部を負傷したDF桜内渚(25)が強行出場して攻守に体を張ったプレーを見せたが、残り7分で勝利を逃した。磐田は2位をキープも、1位大宮との勝ち点差は6に開いた。

 雨が降り続ける中、サックスブルーの無数の旗が揺れた。前半33分、MF上田康太(29)のスルーパスから先制点が生まれた。MF松浦が左足トラップからシュートを放つが、前に出てきた相手GKがブロック。しかし、こぼれ球を松浦がそのまま右足で冷静にループシュートを決めた。第6節横浜FC戦(4月5日)以来となる今季2点目で、試合の主導権を握った。

 試合前から「な・ぎ・さ!」という応援が響いた。2日に行われた紅白戦の接触プレーで頭部に裂傷を負い、救急車で搬送されたDF桜内が先発で強行出場した。患部を縫ったため頭にはテーピングを巻いた上から帽子をかぶっていたが、ヘディングや接触プレーも問題なくこなした。試合前日には「生きてます!」と話していた通り、元気な姿をサポーターに届けた。

 後半31分、FWジェイ(33)のドリブルから松浦がフリーでシュートを打つが、相手GKの正面。名波浩監督(42)はハーフタイムに「次の1点が勝負になる」と選手を送り出したが、チャンスで追加点を奪えなかった。

 そして同38分、熊本のショートコーナーから相手のシュートが左ポストを直撃。はね返りがGKカミンスキー(24)の体に当たってゴールラインを割り、失点を許した。名波監督はMF小林祐希(23)MF清水貴文(25)らを投入するも、流れを変えられず1-1のまま試合終了。ホームで引き分けに終わった。【保坂恭子】