仙台はホームで新潟に敗れた。前半をスコアレスで折り返すも、後半15分にDF上本大海(33)がレッドカードで1発退場。残り30分以上を数的不利な状況で戦い、FWウイルソン(30)も投入。しかしロスタイムに失点し、痛すぎる3連敗となった。

 最後の最後に1点を失い、負けた。残り30分は数的不利ながら、カウンターから好機を演出。ギリギリまで耐えただけに、悔しすぎる黒星だった。選手たちは試合終了の笛と同時に倒れ込み、悔しさに打ちひしがれた。

 渡辺監督は「最低でも勝ち点を相手に与えない試合にしないといけなかった」と言った。そして続けた。「我々は前を向いていく。頭の切り替えが早くできるエネルギーが、このチームにはあると私は思っている」。6戦ぶりの無得点での敗戦。第2Sで2度目の3連敗。それでも声援を送り続けてくれるサポーターへの思いも胸に「次回は必ず。期待に応えるべく、前進していきたい」と言葉に力を込めた。

 今節、「仙台らしさ」を少し取り戻せたのかもしれない。その証拠が、上本が退場するまでの60分間のプレーに表れていた。出足の速さ、セカンドボールへの対応、攻守においてアグレッシブな姿勢-。DF渡部も「やりたいサッカーができていた」と手応えを感じていた。シュートは計15本。惜しいシーンは何度もあった。それだけに「1つ先手を取れれば…」と指揮官は悔しがる。

 泣いても笑っても、残りは8戦。渡辺監督は「8つしか、ではなくまだ8つある。リセットできる」と前だけを見つめる。この日はFWウイルソンも12戦ぶりに出場。チーム全体で巻き返す要素も底力もある。来月6日の天皇杯を挟み残るリーグ終盤戦を、まだまだ進化しながら戦っていく。【成田光季】