清水の生え抜きエースFW加賀美翔(21)が“百発百中”を目指して出陣する構えだ。9日の藤枝MYFCとの天皇杯2回戦に備え、3日には静岡市内で開かれた午前練習に参加。ゲーム形式では軽快な動きを見せ、次戦のメンバー入りへ、猛烈アピールし「状態は悪くない。試合までにもっと上げていける」と意気込んだ。

 チャンスは確実にモノにしてきた。昨年は天皇杯準決勝でプロ初ゴールをマーク。今季は5月のナビスコ杯神戸戦で決勝点を挙げ、チームを勝利に導いた。プロ3年目で公式戦出場はわずか2試合だが、出場した試合は必ず得点した。ユース時代には同年代最高峰のプレミアリーグで得点王に輝いた経験もあり「ゴール前では誰にも負けない自信がある」と、点取り屋としての自負をのぞかせた。

 現在はチーム事情でサイドハーフでもプレーする機会があるが「自分のプレーの質を伸ばすチャンス」と前向きだ。先月30日に行われた東海選抜との練習試合でも出場時間20分足らずで2得点。「とにかく今は結果を残すしかない」とゴールにこだわってきた。

 チームはリーグ戦で17位に低迷し、J2降格の危機にさらされている。天皇杯とリーグ戦では大会が違えど、流れを変えるためには勝利がほしい。加賀美は「どんな試合でも勝てばいい方向に向かうと思う。ここからはい上がっていくためにも結果を残したい」。チーム状況を好転させるべく、ゴールに飢えるストライカーが起爆剤になろうとしている。【神谷亮磨】

 ◆加賀美翔(かがみ・しょう)1994年(平6)4月22日、富士市生まれ。ACNジュビロ沼津から清水ユース入りし、12年プレミアリーグEASTで得点王。13年にトップ昇格。174センチ、67キロ。血液型はO型。