仙台と仙台大(宮城)の“兄弟対決”は兄貴が勝利した。同大OBでもあるFW奥埜博亮(26)が前半9分に先制ゴール、同40分にはMF野沢拓也(34)が直接FKを沈め2-0で折り返すも、後半2失点。同20分のDF菅井直樹(30)のダイビングヘッドで何とか1点差で逃げ切り、3回戦に駒を進めた。

 久しぶりの公式戦勝利にも、指揮官の表情は険しかった。ほぼフルメンバーで臨み、大学生相手に2失点。若い相手の勢いに押される場面もあった。渡辺晋監督(41)は会見で「内容は大いに反省しなければならない。前半途中に軽いプレーが見られた。そういったものはお客さんにも失礼だ、と選手たちに話した」と厳しい口調だった。

 奥埜、野沢、菅井と3ゴール。提携関係にある弟分のチームに、確かに力の差は見せた。だがリーグ終盤戦へのきっかけにする試合のはずが1点差の辛勝。3回戦進出は果たしても、指揮官は「慢心があった」と気持ちの入りきらないプレーをする選手らに苦言を呈した。「1番はメンタル。1つ1つのプレーの重さ、大切さを練習環境から整えていきたい」。この日の反省は、12日の名古屋戦から再開する残り8戦のリーグ戦へ生かさなければならない。【成田光季】