広島が第2ステージ制覇に“王手”をかけた。敵地甲府で完勝し、年間2位以内が決定。チャンピオンシップ(CS)進出を決め、プレーオフを含む来季ACL挑戦権も内定した。次節G大阪戦(11月7日)に引き分け以上なら、2位鹿島の結果次第で優勝が決まる。森保一監督(47)は「今、言われて初めて…。いろんなことを考えていました」と試合直後は状況がのみ込めていない様子。それでも「CSに駒を進められて新たな目標ができた」と喜んだ。

 勝利の立役者は、広島ひと筋26歳のMF清水だ。前半15分にMFドウグラスの豪快ボレー弾をアシスト。同30分にはリーグ戦では12年以来、3年ぶりとなるゴールで突き放した。1得点1アシストの活躍で「(DFの)背後を狙っていました。監督からは『自分から積極的に動け』と言われていたので、得点に絡む仕事ができて良かったです」と笑顔を見せた。

 強さは本物だ。年間でも浦和と勝ち点68で並びながら、得失点差で首位をキープ。森保監督が12年に就任してからは、優勝を逃したのは昨季だけ。今季もVの大本命となり、同監督は「このスタジアムは相性が良くない。でも、ここからはい上がっていこうと(選手に)伝えた。さらなる高みに上がるためには(悪い)データも覆さなければいけなかった」。敵地甲府では13、14年と連敗。悪いイメージをも払拭(ふっしょく)した。

 94年以来のステージ制覇は、もう目の前だ。円熟味を増すエース佐藤に、MF青山主将。さらに急成長中のFW浅野に、この日の主役清水。広島の黄金時代到来の日が、近づいた。【益子浩一】

 ◆広島の次節第2ステージ(S)優勝条件 第2S首位の広島が勝って勝ち点を34に伸ばした。2位の鹿島は敗れて勝ち点31のまま。その差を3に広げ、次節にも広島の優勝が決まる可能性が出てきた。その条件は広島が次節11月7日のG大阪戦に○、鹿島が同日の横浜戦に△か●。△の場合も鹿島が●で広島の第2S優勝が決まる。また広島は年間総合勝ち点も68とし、浦和とともに2位以内が確定。チャンピオンシップ進出を決めた。