J2山形が21日、千葉・館山キャンプ2日目を迎えた。午前9時半から約2時間かけて1000メートル走を8本こなし、午後3時から2時間ほど1対1や2対2の対人練習に費やした。新加入のブラジル人FWディエゴ・ローザ(26)が1000メートル走で軽快な走りを見せ、対人練習でも切れ味鋭いドリブルで抜き去った。2日目から存在感を発揮し、石崎信弘監督(57)に猛アピールした。

 いきなりアクセル全開で、猛アピールだ! 午前に行われた1000メートル走では、180センチ、70キロの絞れた体で先陣を切った。石崎山形名物のハードトレを終えたローザは「ブラジルでも1週間走ってきた。走りに関しては問題ない」と涼しい顔。風邪で初日の参加を見送ったMFディエゴ、体重がしぼれてないMFアルセウとは好対照だった。

 午後の対人練習でも持ち味を存分に発揮した。新加入メンバー同士の2対2では、加速力のあるドリブルで何度も相手を抜き去った。守備側に回ると石崎監督の指示に耳を傾け、献身的にプレスをかけ続けた。「2月末の開幕に向けて頑張る。もっとよくなる」と自信を見せた。

 2日目からいきなり存在感を発揮したローザに、石崎監督も思わず目を細めた。「体も絞れているし、動けている。彼に期待するのはゴール。今から楽しみじゃなきゃ困るじゃろ。守備に関しても要求することはやろうとしているし、一生懸命やっている」。守備をしない選手は使わないと公言している指揮官のお眼鏡に、早速かなった模様だ。

 昨季J1最下位だった得点力不足を解消する。ローザは今季の得点目標については「あえて自分から言う必要ない。見てからのお楽しみ」と煙幕を張りながらも「出るところでベストを出すだけ。チームの勝利が一番」と宣言。1トップ、2列目両方こなせるだけに、3トップ争いは激化する。ぶっちぎりで定位置を奪って、1年でJ1復帰に導く。【高橋洋平】