新潟は、開幕戦(湘南)勝利から一夜明けた28日、聖籠クラブハウス練習場でトレーニングした。フィールドプレーヤーは軽いランニングなどリカバリーに努めたが、GK守田達弥(25)はキーパーのサブメンバーとほぼ同じメニューを精力的に約1時間こなした。次節のアウェー神戸戦へ、戦いはもう始まっている。

 守田は、191センチの全身を何度も芝生の上に投げ出した。疲れた顔を一切見せず、ボールに反応し続けた。昨季までは、試合翌日はフィールドの選手と同じランニングで練習を切り上げていた。しかし今季は、サブメンバーと一緒にキーパー練習を積んだ。「身体的な疲労は、フィールドの選手に比べればないです。多少動いても、問題はありません」という言葉が頼もしい。

 昨季は、2ndステージ第15節の名古屋戦(10月24日)で、左ひざを負傷。最終節を含む2試合は、ベンチを外れた。新潟に移籍した14年シーズンから続けていた、リーグ戦先発フル出場は66試合で止まっていた。キャンプ中には、能仲太司コーチ(37)に依頼したプレミアリーグ、チェルシーのGKクルトワ(199センチ)のプレー映像を見続け、イメージをふくらませてきた。

 そして迎えた今季。27日の湘南戦はオフを挟んでの復帰戦でもあった。押し込まれる展開から脱したのは前半18分、FW藤田祥史のヘディングシュートを、パンチングで阻止してからだった。「我慢して、勝ち点3を取れたのは大きいです」と守田は振り返る。帰りの新幹線の車中で湘南戦の映像を見て課題をインプット。「競争の中でフル出場していきたいです。結果にもこだわります」。試合翌日の練習に守田の覚悟の一端がかいま見えた。【涌井幹雄】