磐田が、7クラブ目となるJ1ホーム通算200勝を達成した。甲府に3-1で勝利し、暫定7位に浮上した。日本代表候補にリストアップされたMF小林祐希(24)は3試合連続ゴール。バヒド・ハリルホジッチ監督(64)が視察する中、結果を残した。一斉観戦した磐田市内全22小学校の5、6年生約3200人も、大きな声援で選手を後押しした。

 磐田の歴史に、新たな1ページが加わった。ゴール裏には「祝 ホーム200勝」の横断幕が掲げられた。選手、スタッフが集まって行われた記念撮影の最前列に、名波浩監督(43)が並んだ。選手で12季を過ごし、監督として3季目でたどり着いた節目を「選手のおかげだと思う。素晴らしい」と表現した。

 先制点は、前半27分に生まれた。右サイドの小林のスルーパスから、DF小川大貴(24)がライン際で倒れ込みながら右クロスを上げ、MF太田吉彰(32)がダイレクトで決めた。利き足ではない左足シュートは、1人の居残り練習で繰り返し、感覚を体に染み込ませている成果だ。昨季の11月8日長崎戦(4-2)以来のホームでの得点で、「ホッとしています」と振り返った。

 太田には、スタンドの小学生たちに届けたい思いがあった。右MFながら最終ラインや左サイドにも顔を出し、走行距離はチーム最多の12・816キロ。浜松市出身、磐田ユース育ちで「ただただ必死さを伝えたかった。プロとして全力で戦うことが大事だと思っていた」と話した。

 一斉観戦は今年で6年目を迎える磐田市との協力事業で、通算成績は5勝1敗。DF大井健太郎(32)は、試合後のピッチでマイクを手に「お父さん、お母さんにおねだりして、毎試合、足を運んでください」と言った。前半36分のゴールを含めて全3得点に絡み、ハリルホジッチ監督へのアピールに成功した小林も報道陣に言った。「(小学生に)絶対に勝つ姿を見せたいと思っていた。声援がパワーになった」。

 今季、連敗せずにコツコツと積み上げた勝ち点は19になった。ホーム200勝の多くを稼いだ黄金期と違い、目標は「勝ち点40でJ1残留」。好ペースで進んでいる。【保坂恭子】