プレーバック日刊スポーツ! 過去の6月27日付紙面を振り返ります。1998年の1面&最終面(東京版)は、日本が初出場したサッカーW杯フランス大会1次リーグ3戦全敗でした。

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<サッカーW杯:日本1-2ジャマイカ>◇1次リーグH組◇1998年6月26日◇フランス・リヨン

 日本代表が、1次リーグ3戦全敗でW杯を終えた。初出場同士で実力的に差がないジャマイカとの対戦。前半39分、MFウィトモア(25)にゴールを決められ、3試合連続で先制を許した。さらに後半9分、再びウィトモアに得点され、0-2とリードを広げられた。同30分にFW中山雅史(30=磐田)が歴史的なW杯初ゴールを決めたが、1-2の惜敗。2002年日韓共催W杯へ、チーム力アップという重い課題を抱えた。

 また勝てなかった。3戦全敗という重い結果が、初出場の日本にのしかかった。W杯の、世界の壁か、それとも日本の力不足だったのか。終了のホイッスルが鳴ると、川口がひざをついた。秋田が芝生に横たわった。中山がしゃがみこんだ。4年8カ月前の「ドーハの悲劇」と似た光景が広がった。W杯が、初勝利を目指す日本の野望を打ち砕いた。岡田監督は痛恨の表情を浮かべた。

 W杯中に2度味わってきた悪夢をまた繰り返した。前半39分、ロングパス一本で攻め込まれた。ゲール、マルコムと渡ったこぼれ球を、ウィトモアにゴール左隅に決められた。また先制された。

 さらに後半9分、またしてもカウンター攻撃で左サイドを割られ、ウィトモアにゴールを許した。0-2。W杯1勝の夢が、遠くかすんだ。岡田監督は同14分、呂比須と平野を投入。システムを3バックから4バックにして、攻めに転じた。同16分の呂比須、17分の中山、18分に平野。シュートの雨を降らせた。しかしあと一歩、タイミングが遅い。スピードがない。相手GKに、DFに詰められた。

 「結果を出さないといけなかった。いい試合をしても、何も記録に残らない。(チーム力を上げるために)これからやらなければいけないことが、たくさんある」。岡田監督は今回のW杯で、世界との実力差をあらためて痛感した。パスのスピード、展開力、精度、身体能力。さらに今の日本には、11人で、組織力で、何とかしようという気迫が足りない。国際舞台で勝ち抜くたくましさがない。日本国外の試合で、自分たちに悪い条件で戦う経験が足りなかった。

 W杯初ゴールという目標は達成した。後半30分、左サイドから相馬-呂比須とつなぎ、最後は中山が右足ボレーで飛びついた。しかし、むなしさが漂う。どうして2点を先制されたのか。また1点差を追った。勝ち越せない。後半34分の小野の投入も、得点につながらなかった。井原主将は「ここでたくさん点を入れられたら、セリエAで得点王になれますよ」と皮肉で悔しさをまぎらわせた。

 W杯初挑戦の日本は、270分間で3敗、1得点、4失点という結果しか残せなかった。2002年に地元で、この日味わった屈辱を晴らす。世界との差を詰める。