磐田は左利きトリオが放つ“3本の矢”で勝利をたぐり寄せる。今日13日のアウェー甲府戦に向け、12日には磐田市内で最終調整。CKの攻撃練習で、MF上田康太(30)が右のキッカーを任された。コースやスピードの違うクロスをゴール前に蹴りこみ、名波浩監督(43)から「ナイス!」の声をもらった。

 4月16日ホーム横浜戦(1-5)以来13試合ぶりの先発が濃厚となった上田は、DF中村太亮(26)、MF小林祐希(24)のレフティー3選手で居残りのFK練習にも臨んだ。キッカーの位置に立って相手を惑わすサインプレーを、パターンを変えて何度も確認。GK志村滉(20)もキッカーが読めず、逆を突かれてゴールを許して悔しがった。

 久しぶりの先発ピッチとなる上田は「チャンスがあったら(サインプレーを)やりたい。流れを変えられるきっかけになると思う」と手応えを口にした。精度の高い3人のキックが、チームに勝利をもたらす可能性は十分だ。【保坂恭子】