東京の篠田善之監督(45)が、就任後初めてのJ1を勝利で飾った。後半3分、新潟ゴールへFWムリキ、前田と立て続けに迫り、こぼれ球をMF東が右足ボレーで勝ち越し。1-0の試合終了直後、ベンチ前での歓喜の輪は同監督自ら呼び込み、選手、スタッフでかみしめた。「何か変わったところを見せないといけなかった」と、4試合ぶりの勝利をもたらした。

 篠田監督にとっては、福岡監督時代の11年7月13日大宮戦以来、5年17日ぶりの白星だった。26日にコーチから昇格し、ミーティングでは選手たちに「基本的なスタンスはこれまでと変わらない。ただ、監督になったからには一線は引く」と宣言。ピッチでは前線から追いかける守備を指示し、球際で激しく戦う姿を見せた。ガス欠の終盤は急造5バックで逃げ切り、泥臭くもぎとった。「本来ああいう姿は好きじゃないが、再出発には勝ち点3が必要だった」と、徐々に色を出していく。