磐田MF中村俊輔(38)が早速、「若手FW指導」を始めた。始動2日目の15日、磐田・大久保グラウンドで行われた約2時間の練習に参加。GKを含めた8対8のミニゲームで、東京五輪出場を目指すU-20日本代表FW小川航基(19)と同じチームになると、身ぶり手ぶりを交えてアドバイスを送った。

 20代の頃から年下で有能なFWを指導してきた中村俊は、桐光学園の後輩でもある小川航にも好印象を抱いていた。「動きだしがいいし、『試合に出る』という自覚も持ってやれていると思う」。その上で「教え過ぎてもオーバーコーチングになってしまう。これからは(小川航に)考えさせるようなボールを出していければと思う」と言った。高原直泰、柳沢敦ら日本屈指のFWとプレーした経験に基づいた「育成プラン」だという。

 小川航自身はプロ1年目の16年シーズン、リーグ戦出場0に終わった。だが、逸材には間違いなく、名波浩監督(44)は「航基とか若手(の成長)にふたをしたくない」と、FWの補強を川又堅碁(27)1人にとどめる方針でいる。中村俊も名波監督の思いに応えるように新体制発表会見で、「若手FWにトラップの仕方などを伝えたい」と言った。そんな周囲の思いを受け、小川航は「(中村俊から)『あまり動き過ぎない方がいい』とアドバイスをもらいました。今年は試合に絡んで点を取れるようにやっていきたい」と決意を新たにした。【前田和哉】