清水は9日、鹿児島市内でJ2松本と練習試合を行い、2-0で勝利した。ひょうや雨が降る悪条件の中、MF村田和哉(28)からパスを受けた新加入DF飯田貴敬(22)のクロスが、強風で軌道が変わり初ゴールに。村田はその後、追加点を挙げた。2人は「セクシーフットボール」を掲げる滋賀・野洲高出身。現段階では控え組だが、鹿児島キャンプ最後の対外試合で存在感を示した。

 3本目の14分、右サイドでボールを持った村田が右サイドバックの飯田にパスを出した。飯田はゴール前を確認し、クロスを入れるとボールは、強風で急激に軌道を変えてゴールへ。松本のGKが1歩も動けない“スーパーゴール”で飯田は「クロスが入っちゃった。ゴール前の選手に合わせようと思ったのに、びっくりです」と笑った。

 同40分には村田が追加点を挙げた。2人は「セクシーフットボール」で知られる野洲高出身。試合前に「オレらでやってやろう」と気合を入れていた。恩師から高度なテクニックとパス回しでゴールを狙う指導を受けており、村田は「サッカーの感覚で通じる部分が多いので、あうんの呼吸でできる」と歓迎していた。

 2人の出会いは、飯田の高校時代にさかのぼる。当時、大体大の学生だった村田が教育実習で母校に戻り、飯田が授業を受けていた。昨年、清水からオファーを受けた際も、飯田は真っ先に村田に相談。「いいチームだから、勧めるよ」と言われて決断したという。

 チームメートになった2人は、鹿児島キャンプでも同部屋で過ごしている。村田は先発定着を目指し、「結果を残せて良かった。アイスタで飯田と組んで出たい」。専大を経て新加入の飯田は、12年のMF河井陽介(27)以来となるルーキー開幕先発も射程圏内だ。その自覚も踏まえて「大卒1年目はもう若くないので、先発にからみたい。和哉くんと一緒に出たい」と目標を掲げた。【保坂恭子】