カンボジア1部ボンケット・アンコールからJ3藤枝に新加入した同国代表FWチャン・ワタナカ(23)が14日、Jリーグでの活躍を誓った。藤枝総合運動公園サッカー場で行われた「来日会見」に小山淳代表(40)とともに出席。「一生懸命プレーして、勝利に貢献したい」と意気込みを語った。

 強い決意を胸に、日本での第1歩を踏み出した。藤枝のFWワタナカは、ふじ色のユニホーム姿で会見に登場。両手を胸の前で合わせる「カンボジア流」のあいさつを済ませると、同国初のJリーガーとして意気込みを語った。「分からないこともたくさんありますが、一生懸命プレーして、チームの勝利に貢献したい。自分が頑張ることで(東南アジアの選手が)日本でプレーしたいと思ってほしい」。

 ワタナカは昨年、藤枝の練習に参加した。小山代表が「アジアに対して強く戦略を打っていきたい」と話すクラブ方針に加えて、自身も「アジアの中で一番レベルが高い」と日本でのプレーを希望。Jリーグなどの協力も経て、1年の期限付き移籍が実現した。

 キープ力と得点能力に優れた左利きのFWで、カンボジアリーグでは15年から2年連続で得点王とMVPを獲得。同国では「カンボジアのメッシ」の異名を持つ。大石篤人監督(40)も前日12日のプレスカンファレンスで「ゴール前の能力は高く、左足のFKもある」と評価していた。

 今日15日から練習に合流する。まずは、藤枝が掲げる「ハイプレス・ハイライン」のチーム戦術に順応することが課題となるが、ワタナカは「自分はまだまだ経験がない。監督、チームメートに(課題を)どんどん指摘してほしい」。いよいよ始まる日本での挑戦に、目を輝かせた。【前田和哉】

 ◆チャン・ワタナカ 1994年1月23日、カンボジア生まれ。11年スヴァイリエンFCに入団。12年からボンケット・アンコールに所属し、90試合116得点。代表歴はU-19、23、13年からはA代表で28試合10得点。15年のW杯アジア2次予選で同国代表として来日も、けがで出場はなし。14、15、16年カンボジアリーグMVP。15、16年に同得点王。175センチ。60キロ。