両翼のレベルアップで、ベガルタ仙台が開幕に向けて加速する。渡辺晋監督(43)は17日、「可能性が見える戦いにしたい」と今日18日の非公開練習試合に向け、意気込みを語った。その思いに、直近の練習試合で主力組のウイングバック(WB)に入ったMF菅井直樹(32)とMF中野嘉大(23)が応えてみせる。2人とも、今日の試合でも主力組での出場が濃厚だ。

 左WBの中野は、右WBの菅井を信頼する。「カットイン(ドリブル)したときに、走り込んでくれる」。大宮戦(4日)では、菅井からのクロスを右足で合わせて得点を決めた。試合を重ねるごとに相棒の特徴をつかんだ。「キンさん(菅井)はヘディングもうまい。結構走ってくれるので、逆サイドも狙う」と、次は自らが得点をお膳立てするつもりだ。最終調整でさらに自信をつける。「攻撃の部分で意識していないところが、僕も周りにもある。キンさんもそうですし。共通意識を持った上で、開幕戦を迎えたい」と、連係面の確認に余念はない。

 菅井はWBについて、「自分の持ち味を出せていると思う」と好感触だ。サイドバックながら、突如前線に現れて得点を決めるパターンが多いことから、そのプレースタイルは「何でお前がそこにいるんだよ攻撃」と評された。サイドを駆け回るWBにやりがいを感じており、2年ぶりの開幕スタメンは手の届くところにある。「本番前の大事なトレーニングゲームになる。戦術理解を深めたい」と気合十分だ。今季ベガルタの象徴ともいえる翼が今、大きく羽ばたこうとしている。【秋吉裕介】