北海道コンサドーレ札幌は今日4日、敵地で昨季年間10位の横浜F・マリノス戦(ニッパツ)を迎える。3日は、ミニ合宿を行っていた熊本県民総合運動公園補助競技場で最終調整した。新加入のMF兵藤慎剛(31)は、昨季まで9年間、横浜でプレー。右ふくらはぎ痛で欠場の主将、MF宮沢裕樹(27)に代わって先発出場が濃厚で、Jデビューを果たした「相性がいい」という思い出の地で、今季初白星を呼び込む。

 今季2試合目にして訪れた主将不在のピンチを、新しい背番号6が救う。9年間プレーした横浜から今季、完全移籍した札幌MF兵藤は「いつも通りにはいかない。絶対に力が入るのは分かっている」と平常心にはこだわらず、高揚感をパワーに変える。3日の全体練習では、対人練習のほか、非公開でセットプレーを確認。「打ち合いになったら、向こうが有利。横浜の両ウイングバックは突破能力が高いので、うちはコンパクトに、スペースをなくして、相手の良さを封じたい」と、古巣を警戒した。

 開幕の仙台戦は、後半に途中出場した。この試合で右ふくらはぎを痛めたMF宮沢に代わって、横浜戦ではボランチで移籍後初スタメン、さらにキャプテンマークを巻く可能性が高い。「(主将不在を)補うための副キャプテンなので。一瞬も隙を作らずに、周りに声をかけながらプレーしたい。ケガ人が多い時こそ、チーム力が試される」。横浜でも主将を務めた人格者には、プレーだけでなく、持ち前の統率力も求められる。

 試合会場のニッパツ三ツ沢球技場は、08年にJデビューを果たした思い出の地だ。横浜のメイン本拠地、日産スタジアムと比べ「点を取ったり、点に絡めたり、マリノス時代から三ツ沢のほうが相性が良かった」と、頼もしい。「雰囲気が良くて、好きなグラウンド」という、なじみのスタジアムで、錦を飾れるか。【中島宙恵】