世界を知る“天才”が、実戦復帰へ向けて1歩を踏み出す。今季3試合目で待望の勝ち点をもぎ取った北海道コンサドーレ札幌は、本拠地開幕戦から一夜明けた12日、札幌・宮の沢で、大学生相手に練習試合などを行った。今日13日には、昨季終了後から別メニュー調整が続いていた元日本代表MF小野伸二(37)が、全体練習に完全合流の予定。J1残留へ、頼もしい戦力が戻って来る。

 待望の今季初勝ち点から一夜明けた札幌・宮の沢の練習場。選手をねぎらうように、いつもより多くのサポーターが見学に訪れた12日、6対6で行ったボール回しの輪に“天才”の笑顔が加わった。股関節痛のため、昨季終了後から別メニューで調整していた元日本代表MF小野は「今のところ、やれるだけのことは、痛みなくやれている。明日から練習に合流します」と、今日13日の完全合流を宣言した。

 右膝手術でMF稲本の前半戦復帰が絶望的となった今、チームにとっては、これ以上ない明るい話題だ。本人は「しっかり、焦らずにやっていく。(実戦復帰は)練習試合を2~3試合ほど挟んでから」と慎重ながらも「予定より早く、前倒しで出来ている」と、調整への手応えを口にする。佐川トレーナーも「痛みなく状態が上がってきた」と、ゴーサインを出した。

 この日、初めてボール回しで“セッション”した新加入のFW金園は「伸二さん、オレの動きだしを分かってる」と思わず感嘆の声をもらし「札幌に移籍してきて、今までで一番やりやすかった。こちらが欲しいタイミングでボールを出してくれて、本当に感動しました」と、しばらく興奮が収まらなかった。

 札幌に移籍して4年目の今季は、本拠地の札幌ドームで初得点を挙げるという明確な目標がある。清水時代の12年以来、遠ざかっていたJ1の舞台へ。復帰へのカウントダウンが、いよいよ始まる。【中島宙恵】