北海道コンサドーレ札幌は敵地でヴァンフォーレ甲府に0-2で完敗し、16年ぶりのJ1連勝はならなかった。故障者続出の窮地のなか、J1リーグ初出場の菅大輝(18)をスタメンで起用、最後は1709日ぶりJ1舞台となったMF小野伸二(37)を途中投入したが起爆剤とはならなかった。これで順位は15位に下がり、次節ホームFC東京戦(8日、札幌ドーム)で仕切り直すが、上位チームとの連戦で厳しい戦いが続く。

 その瞬間、ゴール前にいた札幌DF横山とFW都倉は、ほぼ同時に両手で頭を抱えた。1点ビハインドの後半7分、左CKから甲府DFリマのボレーで失点。マークをうまくかわされた横山は「前に重心をかけていたら、うまくマークを外されていて、気付いたときには足が出ていた」と悔やむ。前半残り10分で許した先制点についても「しっかり0で抑えたかった中でも失点。相手のシュートもすごかったけど、3つくらいミスが重なった。僕の責任です…。すみません」と、自分を責めた。

 アクシデントも、あった。前半13分には、3ボランチのアンカーを務めるMF深井が左ひざを負傷し、担架に乗せられベンチへ下がった。動きだしの際にひねった模様で、佐川トレーナーは「明日、検査を受けるが、長期離脱の可能性もある」と、心配そうだ。

 この日、FW金園が左太もも裏の肉離れ、さらにFWヘイスが左ひざ内側半月板の手術を行ったことが、クラブから発表されたばかり。金園は復帰までに約6週間、ヘイスは約2カ月かかる見込みと、故障者が絶えない。

 押し気味に試合を進めていただけに、悔やまれる1敗。次節からは東京、川崎F、浦和と強豪3チームとの試合が続く。「4月のスタートの試合で勝ちたかった」と肩を落とした横山は「格上の相手にも隙はあると思う。そこを突いて、勝ち点を積み上げて行きたい」と、必死に前を向いた。【中島宙恵】