ガンバ大阪のレビークルピ新監督(64)が強豪ガンバの復活プランを、日刊スポーツのインタビューで語った。5年ぶりに復帰した4度目のJリーグ。タイトル奪還のためサッカー王国ブラジルの血を注入し、名将が求める芸術的で攻撃的な戦い方を目指す。【取材・構成=小杉舞】
レビークルピ監督の顔が曇った。今季から率いることになったG大阪の印象を問うと、少し考え、重い口を開いた。
「今のガンバは以前見ていたガンバのレベルにない。印象に残っているガンバは常にタイトル争いをし、上位3チームには入っていた。ガンバはそうあり続けないといけない」
J1初優勝(05年)やアジア王者(08年)にも輝くなど数々のタイトルを獲得した。だが昨季はJ1で10位に沈み、2年連続で無冠に終わった。沖縄キャンプではタイトル奪還のキーマンとなる「原石」探しが始まった。
「日本人は本当によく似ている。選手たちを採点するならみんな平均点以上で、ずばぬけている選手がいない。ブラジルでは才能を持った選手を大事にする」
だからこそ掲げる理想は明確。「画家のゴッホのように絵を描く人がたくさんいる中で、違いを出せるような才能を持った選手が好き」だという。G大阪には原石になりそうな若手が「2、3人いる」とキッパリ。復活のために求めることは、まさにブラジル人らしい答えだ。
「全員ロボットみたいなチームは作りたくない。機械的に動くチームにしたくない」
創造性のある攻撃を重視し、選手の個性は否定しない。
「ドリブル1つとっても、相手の股を抜いたり、誰も予想しない意外性のあるパスを出せたり、GKの頭を抜いてループシュートを決めたり、そういう選手を探していきたい。やっぱり勝つために戦うのであり、アート(芸術)の要素を持った選手が大事」
アイデアを膨らませることが勝利への近道だと説く。24日には名古屋との開幕戦を控える。クルピガンバの挑戦はこれからだ。