5試合ぶり先発で「宮本ガンバ」相手に暴れる。北海道コンサドーレ札幌は今日15日、敵地でガンバ大阪と戦う。チーム最多7得点のFW都倉賢(32)が、7月18日川崎フロンターレ戦以来の先発が濃厚。7月に就任したG大阪宮本恒靖監督(41)とはヴィッセル神戸時代に一緒にプレーした間柄で、監督就任後は初対決。元先輩率いるチームとの対戦に気持ちを高め、3試合ぶりの勝利に導く。

 背中を見てきた存在との対戦だからこそ、気合が入る。都倉は、札幌・宮の沢で肌寒い雨中での前日練習を終え、チームとともに敵地へ移動した。約10度の気温差を考慮し、自ら厚着して暑さ対策も講じ、準備も整えた。相手の宮本監督は前所属の神戸でチームメートだった。「ちょっと不思議な感じがするけど、当時より成長した姿を見せられると思う。すごく対戦を楽しみにしている」と、声を弾ませた。

 日本代表で主将を務め、ワールドカップ(W杯)に出場した宮本監督の現役最後の2年間、10~11年にともにプレーした。ポジションは違えど「常に(試合へ向けて)準備する姿勢だったり、チームに何が還元できるか、態度や言動で示してくれた人。僕はツネさんにはなれないけど、勉強になりました」と、当時を振り返る。20代前半だった都倉にとって影響を受けた1人だ。

 対戦相手の監督と、選手としての再会に恥ずかしいプレーは見せられない。U-21日本代表遠征中で不在のMF三好が主戦の右シャドーに入り、5試合ぶりに先発する見込みで「どんな立場でも自分のやるべきことはあるし、その状況によって自分のベストを尽くすだけ」。今季チーム最多の点取り屋として、ゴールを重ねる覚悟だ。

 与えられた90分間で仕事を全うする。ここ4試合連続で、後半途中から1トップで先発するFWジェイに代わって投入された。20分前後の時間が勝負だった。短時間でも今月1日のV・ファーレン長崎戦では、後半ロスタイムに決勝ゴールを決めた。先発すれば得点に絡むチャンスは増える。最後に「頑張ります」の言葉を残し、バスに乗り込んだ。スタートからエンジン全開でG大阪に襲いかかり、3試合ぶりの勝ち点3をつかみにいく。【保坂果那】