浦和レッズがベガルタ仙台を下し、12大会ぶり7度目の優勝を果たした。

前半13分、右コーナーキックからの流れから、DF宇賀神友弥(30)が、相手のクリアボールを右足でダイレクトボレー。仙台GKシュミット・ダニエル(26)も届かない、ゴール左上に突き刺した。この1点を守りきって今季の初タイトルを手にし、来年のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を手にした。

昨季、ACLを制した浦和だったが、今季は堀孝史体制でリーグ戦の開幕ダッシュに失敗。4月1日のジュビロ磐田戦を最後に、堀監督が解任された。その後、暫定で「組長」の愛称で親しまれた大槻毅氏が指揮を執り、4月25日の柏レイソル戦から、鹿島アントラーズを3連覇に導いたオリベイラ監督が就任した。

オリベイラ監督は守備の立て直しに着手。就任当初、リーグ戦は14位だったが、1点差をしぶとく勝ちきるスタイルが構築され、最終的に5位まで順位を上げた。天皇杯も3回戦のJ2松本山雅戦、4回戦のJ2東京ヴェルディ戦と1点差を勝ちきり、準決勝では鹿島アントラーズを1-0で撃破。「鹿島スタイル」がそのまま浦和に浸透し、勝負強さが植え付けられた。決勝も、終盤は仙台に押し込まれる時間帯が続くも、最後までゴールを割らせなかった。

就任当初「水をワインに変えるのは難しい」と話していた指揮官。決勝前日には「今、ワインに例えると熟成されている途中です。来季は非常においしいピノ・ノワールが味わえるかもしれません」と自信を見せていた。浦和レッズ・ワインはしっかりと熟成が進んでいる。