<J2:横浜FC1-1水戸>◇第38節◇6日◇ニッパ球

 横浜FCのFW中野裕太(20)が、心臓手術を乗り越えてプロ初ゴールを決めた。後半ロスタイムの失点で敗色濃厚だったが、終了間際のラストプレーで大きな一発。MF西田の落としたボールを、豪快に右足で蹴りこんだ。「うれしいですね。ここまで長かったですからね」と話した。

 広島ユースで活躍し、昨年横浜FC入りした。182センチ、72キロと体にも恵まれて1年目から先発起用されるなど期待されたが、なかなか結果がでなかった。そんな時に練習中から息が上がるため、病院に行くと不整脈が発覚。医師から手術を勧められた。「簡単なものだと言われたけれど、心臓ですから不安でした」。サッカーを続けるために今年5月に手術を受けた。

 6月に戦列に戻り、今季8試合目にして待望のゴール。樋口監督は無駄な警告を受けたことに苦言を呈しながらも「あそこで決められるのが魅力」と期待を口にした。42歳のFWカズが「オレの子供でもおかしくないよね」と言う20歳の中野が、チームの新たな得点源として名乗りをあげた。