<高校サッカー:流通経大柏3(8PK7)3作陽>◇1回戦◇31日◇フクアリ

 優勝候補の流通経大柏(千葉)が土壇場で追いついてPK戦も制し、85回大会に準優勝した作陽(岡山)相手に劇的な逆転勝利を挙げた。

 流通経大柏は前半21分、DF本村の右からのアーリークロスをFW高沢(3年)が体を入れ替えながらワンバウンドさせて相手DFをかわし、左足シュートを突き刺して先制。同26分にはFKからDF山田(3年)、FW高沢と頭でダイレクトでつなぎ、最後はDF本村(2年)がヘディングシュートを決めて2点目を奪った。

 しかし、同27分にクリアミスから失点し、後半23分には作陽MF伊藤(2年)に強烈なミドルシュートを決められて同点に追いつかれ、さらに同34分には再びMF伊藤に鮮やかなループシュートでゴールネットを揺らされ勝ち越しを許した。

 だが、敗戦濃厚の同ロスタイム、ゴール前のこぼれ球をFW福井(3年)が右足で押し込んでついに同点に追いつきPK戦へと持ち込んだ。

 PK戦では5人を終わり全員が成功。サドンデスに入り、作陽の7番手が失敗。流通経大柏は8人目まで全員が成功し、壮絶な死闘にピリオドを打った。

 流通経大柏の本田裕一郎監督(67)は「作陽さんは素晴らしかった。1回戦で帰るにはもったいない、そういうチームでした」と相手にエール。その上で「毎回こんな試合ばかりで肝を冷やしますね。でもよくやったと思います。最後の最後に得点を取るというのが数試合続いていますから、毎試合驚かされます」と選手の粘りをたたえた。