鹿島のジョルジーニョ監督(48)が29日、今季限りで退団することが発表された。茨城・鹿嶋市内での練習後、同監督は「子どもが4人いるが、3人は離ればなれになっている。父親として家族の近くにいて、教育したかった。奥さんが子どもと一緒に過ごしたいという思いがある。やむを得ない選択」と、理由を明かした。練習前には、直接選手たちに伝えた。

 同監督は、鹿島側から来季も契約延長を前提に話し合いの場を設けられた28日の夜に、退任の意向を伝えた。一夜たったこの日の朝でも退団の意志は変わらず、発表された。「本心は最低でも5年は指揮を執るつもりだった。この決断は非常に苦しかった。昨日も自宅に帰ってから苦しい一晩を過ごした。クラブへの恩は尽きない。いつか、返せたらと思う。永遠の別れではない」と将来的な再登板に含みを持たせた。また今後、ブラジル国内クラブからのオファーが届く可能性はあるが、現段階では一切ないという。

 就任1年目となった今季はナビスコ杯の優勝に導いたがリーグ戦は苦戦。1試合を残し11位で、前節にようやくJ1残留を決めたばかりだった。ただ、現在16強の天皇杯での優勝に向けて全精力を尽くす覚悟。「1月1日以降に帰国する予定。天皇杯でタイトルをとって、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)の出場権を勝ち取るチャンスはある。いい正月を迎えられるようにしたい」と、タイトル獲得に闘志を燃やしていた。