<J1:浦和2-1徳島>◇第27節◇5日◇埼玉ス

 MF柏木陽介(26)の活躍で浦和が首位をキープした。前半33分に先制点を許す嫌な流れを変えたのは、柏木のFKだった。

 前半41分、ゴール正面、約20メートルからのFKで左足を振り抜くとポストをたたいてゴールへ。軽やかにカベを飛び越え、蹴った直後に柏木が喜んで手を挙げるほどの鮮やかなゴールだった。

 後半18分にはゴール正面、約30メートルの位置からストレートのボールを蹴ると、MF李忠成(28)が相手DFと競り合いながら胸でつなぐ。すかさず走り込んだDF那須大亮(32)が、右足ボレーで豪快にたたき込み逆転した。

 那須はGK西川が自陣からFKを蹴る時に「少しでも蹴りやすくなるように」と、手で水をさらっていた。西川のキック力を生かすため、できることはすべてやっていた。

 雨の影響でピッチ上には水が浮く重馬場に、ロングボールを中心にした戦術で徳島をくだした。柏木は「あれは決めるしかなかった。自分が決めれば流れが変わるのは分かっていたから。CKでニアに蹴る感じで蹴れば入ると思った」と自信を持って蹴った。

 ペトロビッチ監督は「このピッチでは普段やっているサッカーは不可能。選手たちは強い気持ちを持ってよくやってくれた。勝利に値したと思う」とホッとした表情を見せた。会見の最後には「今季残りの試合で、今日のような天気にならないことを願いたい。見ている人もおもしろくなかったと思う」と笑わせた。