藤田が1つの夢をかなえる。コンサドーレ札幌のMF藤田征也(20)が、15日のホーム開幕横浜戦(札幌ドーム)で今季初の先発出場を果たす。横浜には中学時代に所属したSSSの先輩、MF山瀬功治(26)がいる。あこがれの先輩と初めて同じピッチに立つ日を間近にし、気持ちは高ぶってきた。

 試合2日前の練習を終えた藤田は、山瀬功への思いを口にした。「目標の選手でしたから。楽しみにしてます」。面識こそないが、SSS、札幌と同じユニホームに袖を通している1人の先輩として、常に目標にしてきた。

 昨季は01年に山瀬功も出場したU-20W杯を経験した。チームでも39試合に出場し7得点を挙げ、00年の山瀬功と同じようにJ1昇格に貢献した。後を追うように成長を続け、ついに念願の対戦のときを迎える。

 2人の恩師、SSSの岩越英治監督(49)は「2人とも上を目指そうという意識は高かった。1度代表に選ばれたら落ちたくないという気持ちは、中学のときからあった」と振り返る。右サイドハーフでの先発が濃厚な藤田は、ボランチを務める山瀬功とマッチアップする機会は増えそう。2人の攻防の行方が、勝敗を左右する大きな要素になるのは間違いない。

 藤田にとってホーム開幕戦はゲンのいい舞台になる。昨季の鳥栖戦では決勝点となるプロ初ゴールを決めた。「意識はしていないけど、チャンスがあれば狙っていきたい。攻撃を引っ張っていきたい」。シーズン前の合宿は腰痛などで出遅れ、開幕鹿島戦は途中出場に終わった。先輩との直接対決は、うっぷん晴らしにはこれ以上ない機会といえる。【長島一浩】