浦和FW高原直泰(28)が、苦闘にピリオドを打つ。4日、静岡県内でのチーム練習に参加。右太もも裏肉離れから、初めてフルメニューを消化し、5日磐田戦はスタメン出場が濃厚となった。鳴り物入りでJリーグに復帰したが、ここまで日本代表でも、浦和でも公式戦でゴールなしと結果が出ていない。その間にチームでは監督交代劇まで起こった。屈辱にまみれた日本のエースが、ふるさとで行われる古巣戦で、再スタートを切る。

 高原がFWとして、輝きを取り戻すために帰ってきた。3月15日名古屋戦以来の復帰戦を地元静岡の地で、古巣磐田戦で迎える。この日の練習では、10対10のミニゲームで2トップを組むFWエジミウソンと細かいパス交換でコンビの良さを披露。けがの影響を感じさせなかった。練習後は「今日はすいません」とだけ話した。これまでの道のりが険しかった分、集中力を高めていた。

 鳴り物入りでドイツから帰国し浦和に加入したが、今季は公式戦でゴールなし。日本代表では3試合不発の上、3月26日のW杯アジア3次予選バーレーン戦では、右太もも裏肉離れで戦わずして離脱した。Jでも開幕戦ではフル出場で無得点。続く名古屋戦では前半45分だけで交代し、直後の監督解任にまでつながった。不在だったナビスコ杯神戸戦後にはスタンドのサポーターから「高原不要論」まで飛び出した。

 だが、別メニュー調整を重ね、ようやく立ち直ってきた。エンゲルス監督の信頼も厚い。1日の練習では好プレーを連発し、同監督から「大丈夫じゃないか!」と言われ、急きょ静岡遠征へのフル帯同が決定。同監督はこの日も「コミュニケーションが取れて、連係が良くなっている」と太鼓判を押した。

 自身が離脱している間、代わりに出場したFW永井が、原因不明の腰痛に陥ったこともあり、先発復帰が濃厚。離脱直後にチームは連勝と調子を取り戻している。それだけに前日には「継続していけるようにやっていきたい」と話した。日本の、そして浦和のエースが迎える2度目の開幕戦。今度こそ満開の花を咲かせる。【栗田成芳】