<J1:鹿島4-1千葉>◇第5節◇5日◇カシマ

 点取り屋の風格漂う1発だった。前半26分、鹿島FWマルキーニョス(32)はエリア内で半身の体勢でパスを受けると、すぐにゴールへ向き右足を鋭く振り抜いた。「イメージ通り」と自画自賛するチーム2点目は、14連勝に導くゴールとなった。

 リーグ、ACLで5得点ずつをマークし、ともに得点王に立っている。来日8年目。爆発的な能力を擁しているわけでもなく、知名度も高くはない。だが前線に張り付くことはなく、献身的に守備もこなす。「現代サッカーのFWは2つの役割が求められる。攻撃と守備だ。自分はそれをこなし、好調を維持している。そこがほかの(外国人)FWとは違う」と強烈な自負を見せた。

 昨夏、腕にサムライのタトゥーを彫った。「日本で長く生活している中で、日本を象徴するものを刻みたかった」。オフにブラジルに帰国した際に長髪を束ねたのが周囲に好評で今もそのスタイルを続けている。川窪通訳は「髪を後で束ねるようになって、優しそうな目も含めてタトゥーのサムライに似ているなと思った」と言う。

 この日は先制弾の田代に加え、途中出場の興梠、佐々木も得点し、チームの登録FW4人全員が決めた。「みんなが決めたのは私のモチベーションになる」。珍しいFW全員得点の現象の中心にマルキーニョスがいる。【広重竜太郎】