<岩手・宮城県高校総体サッカー:不来方3-2盛岡市立>◇9日◇盛岡南公園球技場
岩手に、新王者が誕生した。不来方(こずかた)が決勝で盛岡市立に延長戦の末、3-2で逆転勝ち。88年の開校以来、創部21年目で初の全国大会出場を決めた。前遠野監督で00年に就任した長谷川仁監督(42)の、地道な指導が実を結んだ。再延長の前半2分、MF日下裕太(3年)が右足で決め、110分間の熱戦に終止符を打った。これで東北6県の高校総体出場校が出そろった。
気温25度、暑さの中の消耗戦。延長開始直後に波状攻撃を仕掛けたのは、不来方だった。FW佐藤弘滋(3年)が右サイドをドリブル突破。寄ってきた相手選手2人の背後に球を浮かせ置き去りにすると、左足でシュート。この日2点目となる決勝ゴールを挙げた。守備陣は盛岡市立の反撃を寸断。終了の笛と同時に、抱き合って初優勝の喜びを分かち合った。
遠野を3度、全国選手権出場に導いた長谷川監督が00年に不来方へ転任した。「ここまで長かった。以前もいい選手はいたんだけど、勝ちきれなかった」。進学校のため3年夏で引退する選手が多く、選手権予選では苦戦が続いた。それでも長谷川監督の細かい指導に定評があり、県内の優秀な選手が集まった。
昨年11月の県新人大会で2年ぶり2度目の優勝。今季のプリンスリーグ東北は4勝4敗と、強豪相手に健闘している。この日は0-2からの逆転劇で、底力を見せつけた。長谷川監督は「暑さで相手の足が止まった。1点返せば、流れが変わると思った」と振り返った。昨年まで5連覇中の盛岡商が、今回は8強入りを逃した。戦国時代の岩手県高校サッカー界で不来方が“新政権”を握った。【柴田寛人】



