指揮官がリーグ再開に向け、秘策を用意した。コンサドーレ札幌は29日、アウェーでG大阪と対戦。26日、札幌・宮の沢で行われた戦術練習では三浦俊也監督(44)が「可能性を探ってみたい」と右サイドハーフとしてFW中山元気(26)をテストした。サイドを駆け上がりセンタリングを上げるなど、慣れないながら中山も対応。186センチの高さと強さを持つ男が突破力のあるG大阪左サイドのDF安田理を封じ込める。

 ヒントは欧州選手権だった。三浦監督は「(中山は)アグレッシブさがあり、キープ力がある。FWが4-4-2のサイドに入るのは今回のユーロ(欧州選手権)でもよくある」と話した。この日は新加入のDF箕輪、FWアンデルソン、両サイドには西と藤田を配置したG大阪戦用の布陣で紅白戦を実施。その後に変則パターンとして中山を投入するプランを試し、手応えを感じていた。

 中山にとっても復帰戦となる。4月12日の磐田戦で左ひざの内側側副靱帯(じんたい)損傷して以来、ピッチから遠ざかっている。生まれて初めてサイドハーフに入った中山は「できる範囲でそれなりにやれると思う。大体のやり方は雰囲気で分かる」と違和感は感じていない。リーグ17位の低迷から抜け出すために、チームは貪欲(どんよく)に試行錯誤を続ける。【上野耕太郎】