清水の「日の丸コンビ」が、上位浮上の起爆剤になる。23日の柏戦(日本平)で、北京五輪日本代表FW岡崎慎司(22)のリーグ5戦ぶり先発が21日、濃厚となった。また、20日の親善試合ウルグアイ戦で代表初出場を果たしたDF高木和道主将(27)も気合十分。

 悔しさを晴らす絶好のチャンスが、岡崎に巡ってくる。この日の非公開練習後、故障で別調整するFW矢島の代役について長谷川監督は「五輪から帰ってきた誰かかな、という感じ」と岡崎の先発を示唆。岡崎は「(先発かは)分からないけど、盛り上げていきたい」と表情を引き締めた。

 3戦全敗の北京五輪で得たのは、悔しさだけではない。先発した1次リーグ第3戦のオランダ戦。「気持ちが少しでも緩むと動けなくなる」と、仲間を鼓舞し続けた。「『行こうぜ!』とか言っているのが、自分にも言っている感じがした」。これまでは「プレーで頑張っているのを見せよう」と、ひたむきに得点を狙う姿勢を貫いてきた。だが、大舞台で「チームを前線で引っ張っていく役割ができていない」と痛感した。

 滝川二高時代の「声でも引っ張る」という初心を北京で思い出した。長谷川監督は「取り組む姿勢が素晴らしい」と“ニュー岡崎”を高評価。柏から2戦連続得点中ということもあり「矢島以上の活躍ができるんじゃないかな」と期待した。

 帰国した14日、岡崎は「『五輪があったから今がある』って言えるようにしたい」とつぶやいた。「誰にも負けないって心の底から思えています」。岡崎が声とプレーで、15位清水に勢いを与える。【浜本卓也】