<J1:横浜1-0札幌>◇第22節◇24日◇ニッパ球

 コンサドーレ札幌が横浜に0-1で敗れ、今季ワーストタイの4連敗を喫した。三浦俊也監督(45)は2日間、練習を非公開にし、今季初めてシステムを変更して試合に臨んだが、実らなかった。残留争いのライバルでもある横浜にはこれで97年のナビスコ杯以来、10戦1分け9敗と白星なし。16位磐田に勝ち点で9差まで開き、いよいよ「降格」の2文字が現実味を帯びてきた。

 大粒の雨が降り続くピッチを指揮官は口に手を当てながらじっと見つめていた。敗れたときは終了のホイッスルと同時にベンチから勢いよく離れる三浦監督が、立ち止まっていた。選手たちがあいさつを終えるのを確認するとゆっくりと歩き出した。記者会見では謝罪の言葉が口をついた。「できる限りのトライをしたが結果を出せず、サポーターには申し訳ない」。悔しさを押し込んだ。

 かたくなに守り続けてきたシステムを初めて変更した。4-4-2からMFクライトンをトップ下に据え、3ボランチにした4-3-1-2を採用した。しかし、機能したのは前半10分すぎまでで、あとの長い80分は防戦一方。システムを変更して臨んだ一戦でスコアは1点差だったが、内容は完敗だった。

 ブラジルトリオの攻撃だけでは突破口は開けなかった。クライトンは「もっと攻撃に出ないと勝ち点はついてこない」と指摘した。後半はクライトンを左サイドに据え、再びトップ下に戻すなど後半だけに4度、戦術を修正したが八方ふさがりの状況は変わらない。ぬかるんだピッチにパスミスも連発。シュートは横浜の21本に対し札幌は7本しか打てなかった。

 低迷からの脱出に必死だった。21、22日には三浦監督の下では初となる2日続けての非公開練習を実施。選手たちも試合前日の23日、食事前に15分のミーティングをして「声を出し、気持ちを1つにしよう」と確かめ合った。この日の試合後もストレッチ中に選手たちで反省会を開き、宿舎に戻っても話し合いを持った。「もう前を向いてやるしかないんだ」と、精神的な支柱のDF西沢は珍しく表情が険しかった。

 システムを変え、打てる手は打ったが、勝利は遠い。16位磐田との勝ち点差は9。FW中山は「あきらめずにやる。自分たちのやってきたことを信じて」と自分に言い聞かせるように話した。目標とする勝ち点35へ到達するには残り12試合で勝ち点19以上を納めなければならない。勝敗にすると6勝1分け、5勝4分け、4勝7分け以上とハードルは高くなった。チームの耳元に聞きたくなかったJ2の足音が忍び寄っている。【上野耕太郎】